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東アジア文化都市への期待

近藤誠一

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近藤誠一

東アジア文化都市2017京都実行委員会委員長
(公財)京都市芸術文化協会理事長
元文化庁長官

平和を誓った戦後から、70年以上が過ぎた今日、なぜ紛争やテロが絶えないのでしょう。

国家には、何が何でも主権すなわち領土や経済利益を守らねばならないという建前があるからです。とくにグローバル競争が激しくなると、政治や経済は、結局は排除の理論から抜けられません。

平和を達成するカギは、文化と都市にあります。文化は違いを排除するのではなく、そこから学び、お互いに高め合うものだからです。そして都市は、文化を生むふるさとであり、そして主権に縛られないからです。

このことを十分に理解したのがヨーロッパの欧州文化首都という構想でした。欧州統合を進める過程で、毎年加盟国から一都市を選び、みなで協力してその文化活動を促進したのです。各国がこのように建設的な努力を続けたことが、EU形成の過程で発生したさまざまな困難を乗り越えることに役立ちました。

 東アジア文化都市は、まさにこのような精神でつくられました。この制度が始まって4年経つ間に、日本と中国・韓国の政治関係が悪化しましたが、このプログラムだけは見事に継続されました。この構想こそ、今後もさまざまな摩擦が生じるであろう日中韓三国の関係を健全に発展させるカギとなるでしょう。1000年の歴史をもち、かつ世界に冠たる文化都市京都には、この重責を担う十分な能力と、他の都市の追随を許さない歴史があります。

皆さんとともに今年を成功させましょう。

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