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京都で盛り上げよう!盛り上がろう! 東アジア文化都市2017 京都市民連携事業募集のお知らせ

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二体の鑑真和上像を通じた交流

このページでは、東アジアの相互理解につながる活動をされている方に、日々の取り組みやその活動にこめた想いについてコラムをご寄稿いただいています。
今回は、壬生寺副住職の松浦俊昭(まつうら しゅんしょう)さんです。

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 仏教はインドから中国・朝鮮半島を経て日本に伝来しました。同時に様々な文化・風習も渡来しました。お香や漢方薬・砂糖などの調味料などが含まれていますが、我々の身近なところにいらっしゃる仏像もそれらの一つです。寺院に赴くと、お堂に安置されている仏像の多くは木製です。しかし、脱活乾漆という製法で作られた像があることはあまり知られていません。天平時代にこの製法で作られた秀作が、国宝・鑑真和上像です。

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 壬生寺は鑑真和上が中国から日本に伝えた「律宗」の寺院で、和上は中国・揚州市にある大明寺の出身、また和上が日本に向けて出発した文峰寺と壬生寺は、姉妹提携を行っています。昨年、奈良・唐招提寺の鑑真和上坐像をもとに、中国福建省の工房で2体の鑑真和上像を制作し、この祖師像をそれぞれ壬生寺と文峰寺に安置しました。互いの友好関係を深め、更なる仏教興隆を祈念しての事業です。5月に行なった壬生寺での安置法要には、事前に訪中団60名が、和上像を揚州市までお迎えに行き、1250年余の昔と同じく文峰寺を出発して、海路にて日本へお連れしました。そして、120名近い中国人僧侶をはじめとする訪日団のみなさまにご参詣いただき、京都の方々との交流が和やかに行われました。

 仏教界では、日中韓3カ国での仏教交流が毎年盛大に行われています。政治の世界では少し不具合のある関係ですが、仏教においては、ブッダの教えを伝授するという一つの共通した目的の下、宗教者として互いに敬意を払いながら交流を続けています。長い年月に渡る交流で培われた関係が、確りと次世代にも受け継がれています。

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 『東アジア文化都市』では、毎年3カ国3都市によってイベントが開催されていますが、今年は特に国際文化都市・京都が含まれています。京都には様々な文化・伝統行事が数多くあり、現在も伝承されています。その一つ一つが市井の人々によって守られているということ。国境を越えて、人と人との繋がりは文化伝承の大きな源です。
 この3都市が本イベントを通じて、衣・食・住に関わる互いの文化の特殊性や共通性を理解し認め合うことを発信して頂きたいと思います。町中では各国の料理を取り扱うお店が数多くあり、普段からそうした食事を頂くことが出来ます。また、各国の音楽や韓流ドラマを常にテレビで見ることが出来ます。
 京都からの発信力は大きく、影響力もあります。率先して戴き、未来志向の関係を築くためにも、特に若い世代の人達へのアピールを行っていただくことを切望します。

Profile

松浦 俊昭

松浦 俊昭

壬生寺副住職、唐招提寺執事

お地蔵さんの寺、壬生狂言・新選組ゆかりの寺である壬生寺副住職として、法話公演等を通じて”京都をつなぐ無形文化遺産”に選定されている京都の伝統行事「地蔵盆」や風習・文化などを、信仰に関わらず多くの方に広めている。また、壬生寺における庭園や文化財の定期公開において、創意工夫を凝らした取組をしている。壬生寺は唐招提寺末寺であり、鑑真和上ゆかりの中国・揚州市との仏教文化交流をすすめている。龍谷大学大学院修士課程修了。京都観光おもてなし大使。
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